社員インタビュー写真

自動車をより快適な空間に
「揺れないシート」の開発に挑戦

開発試験部 実験・研究課
T.S
2017年入社
機械工学専攻 理工学研究科

※社員のプライバシー保護のため名前はイニシャルにしております
※記事内容は取材当時(2022年11月)のものです

入社の決め手は何ですか?

大学院では機械工学を専攻し、振動に関する研究室で、身体の共振や人体の振動感覚といった人体振動に関する研究をしていました。その研究室では自動車はもちろん、建設機械や家電といったさまざまなメーカーと共同研究を行っていました。研究活動の中で完成車メーカーと関わる機会があり、将来は自分の取り組んできた研究を生かすことのできる自動車業界で働きたいと思うようになりました。就職活動を始めたばかりの頃は完成車メーカーに注目していましたが、自分のやりたいこと、やってきたことを生かして社会に貢献できること、自分の関わったものを身近に感じることができるのはシートメーカーであると感じ、テイ・エス テックの選考を受けました。最終的には、制度面を含めて働く環境が充実していることと、選考を通じて社員の皆さんの人柄の良さに触れたことがきっかけとなり入社を決めました。

現在の仕事内容は?

現在、所属している実験・研究課には大きく分けて2種類の業務があります。一つは機種開発と呼ばれる業務で、完成車メーカーと連携しながら今後発売予定のシートを製品化していく仕事です。具体的には商品性の性能保証や仕様決定を行っています。商品性とは、機構部の操作感や耐久性、座り心地、ヒーターやセンサー類の性能など、安全で快適に使用することができる性能のことです。それぞれに評価項目を設定して試験を行い、製品の仕様や設計にも意志を入れながら、性能が保証されるシートを市場に送り出すことが私たちの役割となります。

そして、もう一つは今後の世の中の動向を調査し、将来必要となる技術や商品を開発していく仕事です。その中で私は、走行時の振動やエンジンからの振動によってシートが共振が、乗り心地に与える影響を最小限に抑えるための研究をしています。シートの振動を抑えていくために、単純に振動だけを考えるのではなく、シートを構成しているフレームや表皮、ウレタンなど全体で考えてシートづくりをしていかないといけないところが難しいのですが、いろいろな分野について知ることができ、日々刺激を受けています。

仕事のやりがいは何ですか?

自分が開発を進めていた製品が実際に形になっていくことです。試作品から実際の形になるまで、一筋縄ではいかないことが多々あります。原理モデルや机上計算、CAEなどのツールを用いて性能の見通しを立てていくのですが、さまざまな困難を乗り越えて、頭の中やレイアウト上でしか存在しなかったものが形になったときは、大いに達成感があり、やりがいを感じます。 また、実験・研究課ではシートの性能保証や仕様決定を行うためにシート全体で評価をする必要があり、幅広い知識が求められます。そのため、特に振動に関わる部分では、大学や研究室で学んできた知識を生かすことができる場面も多く、先輩後輩から頼りにされたときにはうれしさを感じます。

これから挑戦したいことは何ですか?

自動車と振動は切っても切り離せない関係です。乗員は常にシートに触れ、自動車からの振動もシートを介して伝わってきます。その振動によって快適性が損なわれ、乗り物酔いを起こしてしまう原因になることもあります。将来、自動運転が普及したときには、後ろ向きで座ったりスマートフォンを見ながら乗る機会も増え、それがより顕著になることが予測されます。そこで、シートで振動を遮断し、自動車をより快適な空間にできる「揺れないシート」「乗り物酔いしないシート」の開発に挑戦したいです。

休日はどのように過ごしていますか?

家族や同僚、友人とキャンプに行ったり、夏はウェイクボード、冬はスノーボードとアクティブに過ごすことが多いです。テイ・エステックは有給休暇が取りやすく、まとまった休暇を取ることができるため、キャンプをしながら車で北海道まで行ったり、福島や長野までふらっと一泊旅行に行くこともあります。有給休暇やフレックスタイム制勤務をフル活用し、午前中で仕事を切り上げて買い物に出かけたり家でゆっくりするなど、業務状況を見ながらリフレッシュしています。